行列式の定義 2023.01.032022.04.25 目次 行列式の定義n=2(2×2)の正方行列の行列式n=3(3×3)以上の正方行列の行列式定義以外の行列式の解法 行列式の定義 行列式は正方行列に対して定義される。正方行列は行要素と列要素が同数の行列である。行要素個、列要素個の正方行列をと表記し、次正方行列という。行列式は正方行列に対して定義される。{正方行列は行要素と列要素が同数の行列である。行要素n個、列要素n個の正方行列AをAnと表記し、n次正方行列Aという。} ①②③④⑤det(An)=|a11a12…a1na21a22…a2n⋮⋮⋱⋮an1an2…ann|=Σσ∈Sna①②③sgn(σ)④A1σ(1)+A2σ(2)+A3σ(3)+⋯+Anσ(n)⏞⑤ 定義の解説①は総和の表記②シグマは置換の表記置換は行列式の内部構造である。置換はとの同じ二組の自然数の集合をとる。それぞれの要素を上下に配列してとした場合、のすべての元要素がのすべての元と一対一全単射の写像となる。対の全単射のすべての置換は通りある。③その行列の次元置換の列数を表すと、置換すべての集合対称群を表すエスと読む。④置換の符号偶置換置換の回数が偶数回での符号。奇置換置換の回数が奇数回での符号。ちなみには符号の略記でサインと読む。⑤は置換の行の順番号に相当する。は置換の列の順番号に相当する。定義の解説{①Σは総和の表記②σ(シグマ)は置換の表記{置換は行列式の内部構造である。置換は {1,2,3,⋯,n}と{1,2,3,⋯,n}の同じ二組の自然数の集合をとる。それぞれの要素を上下に配列してα,βとした場合(α=1,2,3,⋯,nβ=1,2,3,⋯,n)、αのすべての元(要素)がβのすべての元と一対一(全単射)の写像となる。α 対 βの全単射のすべての置換は n! 通り ある。―}③Sn{その行列の次元(置換の列数)を表す n ―と、置換すべての集合(対称群) を表すS(エスと読む)。}④sgn(σ)置換の符号{偶置換(置換の回数が偶数回)で 1 の符号。奇置換(置換の回数が奇数回)で−1 の符号。}ちなみにsgnはsign(符号)の略記でサインと読む。⑤A1σ(1)+A2σ(2)+A3σ(3)+⋯+Anσ(n){Anは置換の行の順番号に相当する。σ(n)は置換の列の順番号に相当する。} n=2(2×2)の正方行列の行列式 行列式の定義にあてはめると、はで置換回数の偶置換の符号、で置換回数の奇置換の符号。はしたがってとなる。置換の元を行列の要素に変換して、の行列式ということになる。A2=[a11a12a21a22]→det(A2)=a11a22−a12a21行列式の定義にあてはめると、det(A2)=Σσ∈Snsgn(σ)A1σ(1)A2σ(2)⇒{sgn(σ)は (1212)で 1(置換回数0の偶置換) の符号、(1221)で −1(置換回数1の奇置換)の符号。A1σ(1)A2σ(2) は A11A22+A12A21}したがって A11A22−A12A21 となる。置換の元Aを行列の要素aに変換して、n=2の行列式det(A2)=a11a22−a12a21 ということになる。 の値が意味するものdet(A2)の値が意味するもの 図1 n=2(2×2)の正方行列の値 画像のスクリプトが見えづらくて恐縮だが、図からの値は列ベクトルの線分スカラーがなす平行四辺形の面積になる。画像のスクリプトが見えづらくて恐縮だが、図1からdet(A2)の値は列ベクトル v1,v2 の線分(スカラー)がなす平行四辺形の面積になる。 n=3(3×3)以上の正方行列の行列式 の正方行列の行列式ではとなり、その置換はで通りあるので上記のつの項となる。同様にの正方行列の行列式ではつの成分の積に個の項、の正方行列の行列式ではつの成分の積に個の項となる。行列の行列式の定義A3=[a11a12a13a21a22a23a31a32a33]→det(A3)=a11a22a33+a12a23a31+a13a21a32−a11a23a32−a12a21a33−a13a22a31n=3の正方行列の行列式ではn=(1,2,3)となり、その置換は 3!=6 で6通りあるので上記の6つの項となる。同様にn=4の正方行列の行列式では4つの成分の積に4!個の項、n=5の正方行列の行列式では5つの成分の積に5!個の項となる。A3行列の行列式の定義det(A3)=Σσ∈Snsgn(σ)A1σ(1)A2σ(2)A3σ(3) はで置換回数の偶置換 の符号で置換回数の奇置換の符号で置換回数の偶置換の符号で置換回数の奇置換の符号で置換回数の偶置換の符号で置換回数の奇置換の符号は⇒{sgn(σ)は (123123)で 1(置換回数0の偶置換) の符号,(123132) で −1(置換回数1の奇置換)の符号(123213)で 1 (置換回数2の偶置換) の符号,(123231) で −1(置換回数3の奇置換)の符号(123312)で 1(置換回数4の偶置換) の符号,(123321) で −1(置換回数5の奇置換)の符号A1σ(1)A2σ(2)A3σ(3) は A11A22A33+A11A23A32+A12A21A33+A12A23A31+A13A21A32+A13A22A31} したがって、ででとなる。行列式において、の符号は断続的ではなく連続の箇所していることに注意。置換の元を行列の要素に変換して、行列式したがって 、A11A22A33−A11A23A32−(+−で−)―A12A21A33+(−−で+)―A12A23A31+A13A21A32−A13A22A31となる。行列式において、sgn(σ)の符号は断続的ではなく連続(aaa―の箇所)していることに注意。置換の元Aを行列の要素aに変換して、行列式det(A3)=a11a22a33+a12a23a31+a13a21a32−a13a22a31−a12a21a33−a11a23a32 の値が意味するものdet(A3)の値が意味するもの 図2 det(A3)の値 図から、はに分割できる。図2から、A3=[a11a12a13a21a22a23a31a32a33] は v1=[a11a21a31],v2=[a12a22a32],v3=[a31a32a33] に分割できる。 以上からの値は、の線分が成す六面体の体積であることが解るよね。以上からdet(A3)の値は、v1,v2,v3の線分が成す六面体の体積Cであることが解るよね。 定義以外の行列式の解法 サラスの公式サラスの公式 行列要素の色をたどって左たすき掛け要素の色をたどって右たすき掛け行列A=[a11a12a13a21a22a23a31a32a33]⇒[a11a12a13a21a22a23a31a32a33] a11a22a33+a12a23a31+a13a21a32{要素の色をたどって左たすき掛け}[a11a12a13a21a22a23a31a32a33]−a13a22a31−a12a21a33−a11a23a32{要素の色をたどって右たすき掛け} 余因子展開行列式の展開による解法余因子展開(行列式の展開)による解法 行列式の展開を参照。行列式の展開を参照。